都議会議員の西崎つばさ(目黒区、38歳、3児の父)です。
区議時代から何度も経験してきた一般質問ですが、都議会議員としては初めてとなる登壇の機会を頂き、小池知事をはじめとした幹部職員との議論に臨んでまいりました。
以下、トピックごとに3回に分けてご報告してまいります。
その1:ジェンダー平等(本記事)
その2:子ども施策
その3:環境施策
ジェンダー平等について
知事のジェンダー平等施策
東京都議会の本会議場における初登壇での1問目は、区議会時代から注力してきたジェンダー平等を取り上げました。
初当選後の新人男性議員が最初の質問において、ジェンダー平等を女性知事に問うことの意義は大きいのではないでしょうか。
さて、これまでも議会内外で何度も触れてきましたが、世界経済フォーラムによるジェンダーギャップ指数において、日本は156カ国中120位と低迷が続き、全国的な課題となっています。
一方、この中で首都・東京における初の女性知事が2期目を迎えていることの意味は、決して小さくありません。では、知事が進めてきたジェンダー平等施策、そして今後の方向性とは、一体どういったものでしょうか。
都の見解
知事就任以来、女性の活躍推進を都政の重要課題と位置づけ、待機児童対策や女性起業家の支援、都の審議会の女性委員の任用促進などを積極的に展開してきた。今後も、誰もが活躍できる社会の実現を目指して取り組む。
ジェンダー主流化にむけた職員研修
続いて、私が目黒区議時代にも取り上げたジェンダー予算について。都議会では、これまで立憲会派の西沢けいた幹事長が質問してきました。
あらゆる予算編成や事務事業が、ジェンダー平等の視点から点検されることは極めて重要です。
例えば、都は本年4月に新たな交通安全計画を策定しましたが、運転免許の保有率は、全世代において、とりわけ高齢世代ほど男女差があります。
また、一般財団法人「自転車産業振興協会」の調査報告によれば、自転車の利用時に車道を走行する割合は、女性の方が低いことが明らかになっています。こうした違いは、果たして考慮されているでしょうか。
こうした、様々なところに潜む性差を捉えて公平な施策を進めるためには、ジェンダー主流化の概念を職員ひとりひとりが理解することが大前提となります。そこで、ジェンダー平等に向けた職員への研修等については、どういう状況になっているのでしょうか。
都の見解
これまで、男女平等参画を含めた人権意識の醸成を職員研修における重点事項として位置づけている。具体的な事例を取り上げて意見交換する演習なども実施している。
男性の当事者意識
ジェンダー平等は、女性だけでなく男性も積極的に取り組むべき問題でありながら、なかなかその機運が高まらないのが課題となっていますが、突破口の一つとして私が注目し続けているのが、男性の生きづらさや葛藤に焦点をあてた「男性学」という学問です。
終わりのない競争に勝ち抜くことを強いられ、辛くても弱音を吐くことや他人に頼ることを良しとされないなど、男性をめぐるジェンダー・ステレオタイプは、これに適合できない者を苦しめ、相対的に高い自殺率に結びついているとの指摘もあります。こうした認識を男性自身が持つことは、ジェンダー施策への関心を高める一助になるはずです。
ただ、大切なのは、男女どちらが得か損かと捉えることではなく、多様な性も含め誰もが自分らしく生きられる社会を実現することであり、誰もが当事者であると理解することです。あらためて、ジェンダー平等実現のためには、男性がより当事者意識を持って関わることが重要であると思います。
都の見解
固定的な性別役割分担意識が根強く残っている現状を解消することは重要。家事・育児の分担について考えるシンポジウムなども実施してきており、今後も男女が対等な立場であらゆる活動に参画できるよう取り組む。
男性職員の育休取得
引き続き、性別固定的な役割を見直す観点から、男性職員の育休取得推進について取り上げました。
本年6月の育児・介護休業法の改正もあり、「家庭での男性活躍推進」がさらに加速することを期待していますし、都も含めて、男性の育休取得を推進する機運は確実に高まっています。
そこで、この分野に関して非常に先進的な千葉市の取り組みを見ると、男性職員は基本的に育休を取得するものとし、しない場合に理由を申告するという方式、いわば、育休取得をデフォルト化・初期設定化するという特徴的な仕組みによって、2019年度の取得率は92.3%と、圧倒的な数字を記録しています。
これは、区議時代に人々の行動変容を促す「ナッジ」について一般質問した際に取り上げた事例です。
東京都も引き続き、千葉市の取り組みも参考にしながら、男性職員の育休取得率の大幅な向上を目指していくべきだと思います。
都の見解
都では全ての管理職がイクボス宣言を行い、配偶者の妊娠が判明した男性職員と面談の実施などを行うとともに、育休の申請がない場合は、その理由を確認した上で取得を促してきた。職場全体の環境づくりにも取り組んでおり、さらに気兼ねなく男性職員が育休等を取得できる機運を醸成していく。