中央卸売市場会計について
都議会議員の西崎つばさ(目黒区、38歳、3児の父)です。
本日、経済・港湾委員会の事務事業質疑において、中央卸売市場についての質疑を行いましたので、内容や私の考え方についてご報告します。
厳しい財政
中央卸売市場の会計は非常に厳しい状況にあり、赤字続きとなっています。
経営計画で示された長期的な財政見通しでは、売上高割使用料収入が毎年5.5%ずつ増加した場合、2049年度に黒字化するとしていますが、現在でも減少している使用料を引き上げるのは困難と言わざるを得ません。
むしろ、同時に提示されている悲観シナリオ、使用料収入が毎年3%ずつ減少したケースである、2064年度に資金ショートを起こすという見立ての方が現実的です。
すると、現在の市場会計そのものの姿が問われているように感じます。
市場の公共性
市場会計では、中央卸売市場が公的な役割を果たすためのコストを行政的経費として位置づけ、一般会計からの繰り入れが行われていますが、これが果たして十分であるのかと疑問が払拭できません。
市場業者から使用料を受け取って運営するという性格上、営業的経費として自走しなければならない部分があるのは理解できますが、仮にこのまま市場が資金ショートで倒れてしまった場合に、消費者を含めた公に与える影響は計り知れないでしょう。
今後、一般会計からの繰り入れ金のあり方を見直す動きはあるものの、物足りない感は否めません。運営の効率化や業者の支援による収入増に向けた取り組みを徹底的に進めるのは大前提ですが、中央卸売市場の持続可能性を見据えた、より踏み込んだ議論が必要ではないでしょうか。
市場のBCP
上記で述べたように、公的な役割を強く併せ持つ中央卸売市場ですが、大規模災害などがあった際のBCP(業務継続計画)は意外にも弱く、市場が独自に定めている訳でもありませんでした。
そこで、気象災害が激甚化している昨今の状況にも鑑みて、事業継続体制の見直しを図っていくこととされており、現在は全市場を対象としたリスクアセスメント調査が行われています。
こうしたBCPの強化に加え、今後は市場業者のBCP策定も支援していく予定となっておりますが、災害はいつ来るとも知れませんから、実効的な事業継続体制を迅速に整えていくことが必要であると思います。