「東京若手議員の会」の児童虐待防止PTによる講演会が開催されました。
講師は、大阪府知事認定子ども家庭サポーターの辻由起子氏、児童養護施設「子供の家」施設長の早川悟司氏、「タイガーマスク基金」代表理事の安藤哲也氏(ファザーリングジャパンで有名ですね)のお三方にお越し頂きました。
共通していたのは、「虐待」という言葉は古く、現状を表していないという認識でした。むしろ言葉を無くした方が良いとまで仰っています。
その心は、子どもが憎くて虐待をする親は殆どいないこと。子育てに疲れて、頼れる人がいなくて虐待に及んでしまうケースが多いこと。ネガティブなイメージを伴う「虐待防止」ではなく、ポジティブに感じられる「親の支援」に言い換えられる、という指摘です。
結局は、地域コミュニティの結束が弱まっている現代において、子育てをする親を応援することが、最大の虐待防止策になるのではないでしょうか。安藤氏は、その中でも「父親の支援が最もレバレッジが効く」と仰っています。
児童相談所への通報件数が過去最悪のペースで伸び続け、体制が追いつかない事が指摘されています。もちろん、それにも対応しなければなりませんが、川下の対策だけでなく、決壊している川上の問題を解決することが求められています。
「昔のお母さんたちは同じように頑張ってきた」と一蹴するのではなく、行政やNPOなどが一致結束して、子育てを支援していく必要があるでしょう。
PT発足時の会合でも、現状への対応というニュアンスが強かった気がしますが、より本質的な議論へと昇華させる素晴らしいきっかけになったと思います。良い一日でした。