今日から2日間、「若手議員の会」の研修です。
初日の今日は大田区へお邪魔し、明日29日に条例が施行される「民泊条例」について学び、実際に申請する予定の物件を視察して来ました。
(↑実際に訪問した物件です。そのべせいや世田谷区議の姿も。)
大田区では現在、ホテルの稼働率が90%を超えています。一般的には70%を超えると多忙と言われるそうで、宿泊施設の不足感が強い状態です。
これまでも報道などで問題が指摘されてきましたが、仲介サイトairbnb(エアビーアンドビー)で一躍話題となった「民泊」は、旅館業法に抵触すると考えられています。
しかし、国家戦略特区において規制緩和が可能となり、大阪府や大田区が名乗りを上げたのです。
スキームとしては、条例や規則によって建物等の基準を設け、それに沿った施設を検査した後に認定証を交付し、事業が認められる(旅館業法の規制除外とする)というものです。
しかし、居室の面積要件や、全部屋に「電池式でない」住警器が必要など規制も厳しいうえに、周辺住民の理解を得ることも容易ではありませんん。マンションの管理規約を変更して一切禁止にする動きも出ており、個人が事業を始めようと思っても、相当ハードルが高いでしょう。
そこで出てくるのが、不動産業界です。マンション一棟まるまる民泊(を含む事業)で活用するような動きが出ており、旅館業法を潜り抜けたホテル事業が展開されようとしているのです。
ここに、民泊に対する大きな思い違いがあると思います。
今日は、これまでもホスティングを行ってきた方のお話を聞く機会がありました。
その方によると、民泊は、住んでいる家の一室(一部)などを借りて、家主や近所の方と交流をし、普通のホテルでは味わえない経験をする所に最大の意義があるのです。
であればこそ、「ゴミはこの曜日にココに出しなさい」とか、「夜はうるさくしないように」などと面倒を見ることもできるので、トラブルも起きにくくなるはずなのです。
完全な受け売りですが、日中は子育てスペースやカフェであるとか、アトリエなどに用いて、夜は数人が宿泊するスペースとして使うといった方法で、出会いと新たな価値の創造といった可能性を秘めているのが民泊なのです。
国の特区の考え方は、民泊を単なる旅館ビジネスの延長と捉えている節があると思います。
確かに、ホテルの稼働率が一杯一杯であり、さらなる受け入れ余地をつくるための解決手段の一つかも知れませんが、空いているマンションの部屋を貸し出すだけではホテルと何ら変わりなく、むしろ民泊を楽しみたい外国人旅行者にとって全く魅力を感じないものになってしまうでしょう。
まだ自分の中で整理しきれていませんが、今日も大きな気づきを頂きました。もっと調査・研究の余地がありそうです。
明日も良い学びがありますように。