今日は民進党所属の都内地方議員の若手グループによる研修会。ICT商社であり、教育現場におけるハード&ソフトウェアに力を入れている、株式会社内田洋行さんの事業を学ばせて頂きました。
この手の話は、お金さえあればどの自治体も導入したいハズですが、予算の制約上そう簡単に整備できないのが現実です。その中で、教育政策の優先順位を高く設定している一部の自治体では、少しずつ進められているのも事実です。
ただ注意しなければならないのは、ICTインフラや機器はツールでしかなく、アクティブ・ラーニングを実現するための方法であるという点でしょう。子どもたちが20年後に社会で活躍するためのスキルは、従来通りの暗記テストで点数を取るために1人黙々と勉強しているだけでは身につかないと思われます。だからこそ、そのスキルを会得するためにICTが必要になってくるのです。
ICT機器を活用することによって、今まで心のなかでは思っていたけれど口に出せなかった意見を引き出したり、与えられた課題に対して、その場で調べて発表し合い、最後は擬似空間等を用いて直感的に学んでもらう事が可能になります。
さらには、ICT機器を用いた教育現場における各種のデータ(端末の操作時間、タッチ回数、書き込み状況、閲覧状況、発話時間など)を蓄積することによって、授業内での子どもたちの傾向を把握する事が可能になり、質の改善にも繋がる可能性があります。
文部科学省でも「教育の情報化に関する懇談会」が行われ、最終とりまとめに向けて議論が進んでいる所ですが、まだまだ大きな可能性を秘めていると思います。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/1369482.htm
しかし、最大のポイントは、教える側の先生のスキルだと言われています。品川区の市民科の授業を見学した際に感じた事ですが、一つの授業であっても実に入念に準備され、教員の狙い通りに進められています。その技術は素晴らしいと思います。今日のお話でも、日本の先生の板書の使い方は卓越していると説明がありました。
そこにICTを溶けこませる事ができるのか。それが最も重要でしょう。内田洋行さんやインテルでは、年間1万人を超える教員に研修を行っているそうです。今後さらに環境が整備された時に、先生の側のスキルがどうなっているのか。ただでさえ教員の多忙感の増している中、ICT機器が業務を効率化する結果に繋がるのか。
丸投げに近い言い方で恐縮ですが、大いに民間主導で進んで行く事を期待します。