乳児用液体ミルク(その2)

意見・主張

(その1はこちら。)
なぜ液体ミルクが日本で製造販売できないのか。

そもそも、現在の粉ミルクの大手メーカーが消極的であることが挙げられます。現在の粉ミルク市場は寡占状態であり、利益率が低いとされる液体ミルクをわざわざこれから開発するのは、相当に腰が重いでしょう。

一方で、既に欧米で実績のある海外企業が参入してくるのでは、という考え方もあります。しかし、一つには添加物の認可が別途必要になるという壁があります。また、海外のミルク会社は「母乳代替品の販売流通に関する国際基準(WHOコード)」を遵守しており、その基準にそぐわない日本の現状に入ってこれません。

このWHOコードは相当厳しいもので、母乳代用品は宣伝してもいけないし、無料サンプルを配ってもいけないし、パッケージに赤ちゃんの画像を使ってはいけない、などの規定があります。日本では考えられないですね。いちおう日本も批准しているのですが、罰則がなく有名無実化されています。
参考サイト

実は、2009年に日本乳業協会が、厚生労働省へ規格の策定を要望しています。しかし逆に、厚生労働省側はメーカーにデータの提出を求めており、それに応じていないという、まさににらめっこのような状態が続いているのです。

消費期限が6か月というネックはありますが、やはり災害時に大きな力を発揮すると思います。また、私自身も経験がありますが、赤ちゃんが夜中にお腹を空かせて泣いてしまって、お湯を沸かす手間すらしんどい時に、選択肢としてあっても良いと思います。

少しずつ注目され始めた、この議論。私も非常に関心がありますので、引き続き勉強させて頂くつもりです。