朝イチで飛行機に飛び乗り、熊本に向かいました。ローカル・マニフェスト(LM)推進地方議員連盟の熊本勉強会&被災地視察に参加させて頂いています。
熊本市の大西市長は、かつて県議会議員だった時にLM地議連の共同代表をお務めになっていました。そのご縁で、いまだ復興に向けて忙殺されている中、100名近くの大規模な勉強会を受け入れて下さったのです。
大西市長のお話で最も印象的だったのは、中越も東日本も結局は「他人事」だったということです。当事者となって初めて、それまで万全だと思っていた発災時の対応に様々な問題があったことを知るのです。
熊本市の災害対策本部の指揮室は、かつては貴賓室だったのですが、そもそも先の尖ったシャンデリアがぶら下がっていることが指揮室として全くふさわしくないと、絶え間なく余震が続く中でそのシャンデリアを一つずつ外しながら痛感したとのことです。
それは一つの象徴的な例ですが、だからこそ、このノウハウを他自治体に伝えたいとも仰っています。今の熊本には災害時のノウハウが全て詰まっているから、全国から熊本に学びに来て欲しいという大変ありがたいメッセージを頂きました。
そして、震災から半年経った今も、自分の家の復旧には手をつけておらず、自宅に帰れない日々が続いているという市長の姿に、市民の生活や命を守る強い責任感を感じずにはいられません。
また、県側の総指揮を執った危機管理監の有浦氏のお話も伺うことができました。
九州地方は、特に風水害に対して強い意識を持っており、防災対策が行われてきましたが、そのまま地震に対応するには多くの課題があったことから、総合的な防災を目指さなければならず、防災は予防が全てだと言いきっていました。
最大震度7で避難者が18万人という予測がピタリと当たったにも関わらず、備蓄は局地風水害用であったということ。せっかく被災地へ向けて出発した物資が、民間の輸送業者では運べなかったこと。それを自衛隊が引き取ろうとした際に、受取サインの問題で引き渡しが上手くいかなかったこと。ようやく自衛隊ヘリで市町村の拠点に輸送した物資を、避難所まで運ぶ職員がいないこと。プッシュ方式の物資輸送が単品大量方式であると、倉庫や職員が不足している中で大きな問題を生むこと。
実際に発生した数々の盲点、大変参考になります。目黒区でも一つ一つ、点検しなければならないでしょう。
後半は、大分市議会のBCP(業務継続計画)について学びました。この前も滋賀県大津市議会のBCPをご紹介しましたが、大規模災害時に議会の機能をどう整理して継続していくのか、あらためて考えさせられました。
例えば、予算審査中に震災が発生したらどうなるのでしょうか。休憩?散会?議決しなければ予算は成立しませんし、会期延長しなければ自然流会で予算案は廃案となり、4月から区が事業を行うことができなくなってしまいます。そしたら専決処分?
本人たちが気づいているのかどうか分かりませんが、議会は非常に重要な権限を持っているのですから、大規模災害の発生を想定し、区民生活への影響を最小限に食い止め、また復旧・復興に寄与することのできるプランを明確に描いておく責任があると私は思います。
熊本視察は明日に続きます。