児童虐待防止PTの条例視察、第2弾ということで浦安市役所を訪問してきました。50ccバイクの限界は遥かに超えているため、今回は近隣の議員仲間で車に相乗りです。
朝からディズニーランドを横目に走り、浦安インターを降りて5分ほどで、ピカピカの庁舎と電光掲示板が見えてきました。この夏に稼働したばかりの最新庁舎だそうです。
さて、今回も非常にタメになるお話を伺ってきました。
とりあえず最初に、浦安が24区と呼ばれるという説明がありましたが、一般的なんですかね(^_^;)?私は初めて聞きましたが、職員の方の誇りも感じました。(笑)また、合併していないのに、埋め立てにより市の土地面積が4倍になったという稀有な都市でもあります。
高齢化率が16%、と聞いた時には隣の某市議と顔を見合わせてしまいました。目黒区も全国平均より低く20%くらいですが、16%というのは本当に全国でもトップレベルの低さです。同時に、18際以下の子どもを有する家庭に占める核家族の割合は95%と非常に高く、これまた特徴的です。
そんな中、東日本大震災では市の面積の多くが液状化する被害を受け、未就学児をはじめ人口が減少するという事態に直面しました。ここから子育て支援、人口増加策を充実させようという動きが加速したようです。
虐待対策については、基本計画の改定にあたって行われた市民会議の提言書に「子ども憲章の制定」が明記され、実施計画に「こども条例の制定」が記された事に端を発します。理念条例か具体的な政策条例にするかという議論もありましたが、検討委員会を重ねる中で政策条例にシフトしていきました。
浦安市の子どもをみんなで守る条例(PDFファイル。サイトが見当たらず、データベースから転載しました。)
この条例は、憲章という性格も併せ持つため、行政提案の条例としては珍しく前文があり、市の思いが強く伝わってきます。
虐待を防ぐ仕組みとしては、同市が示しているピラミッドの考え方が大変よくまとまっていると思います。
今までPTで色々と勉強させて頂きましたが、培ってきた問題意識がここに集約されているように感じました。いちばん下にある「予防のための子育て支援活動」こそ、多くのアクターが必要とされる土台で、最も重要な要素でしょう。本当に参考になります。
また、条文で目を引く点がいくつかあります。まず、保護者の責務を定めた5条の3において、子育ての悩みや不安を知り合いや専門的な知識を有する機関に相談し、または援助を求めるよう努めるものとされている点です。和光市の視察以降、受援力の話を度々持ち出していますが、浦安市はさらに過激と言えます。
次に、12条では人材の育成を定めており、ここから「子育て・家族支援者養成講座」につながっており、子育て支援の担い手を創出しています。
さらに18条では、子どもへの知識の普及を定めており、虐待についてのリーフレットを小中学生に配布することで、子ども本人にも意識を持ってもらう取り組みがなされています。
少し角度は変わりますが、浦安市でもネウボラが今年度からスタートしており、そちらの見学もさせて頂きました。
スペースだけ見ると何ということはないのですが、母子手帳をもらう際は必ずここに来て、子育てケアマネジャーと相談した上で全ての母親に「子育てケアプラン」を作成し、以降も子どもの成長や母親の状態に応じて必要があればプランを更新するという取り組みが行われています。
国の子育て世代包括支援センターを先取りする(というか、その参考とされている)例で、非常に先進的かつ有効な支援策だと思います。今後、全国で展開する方向性が出されてはいますが、目黒区も大いに参考にしなければならないと思います。
浦安市は、虐待対策のみならず子育て支援策のパッケージがすごすぎて、感動が止まりませんでした。これを上手く共有できるよう、来月の報告会に繋げていきたいと思います。