武蔵小山駅での朝活後、渦中の(笑)早稲田大学、日本橋キャンパスへ。マニフェスト研究所系の勉強会である「シティズンシップ推進 実践フォーラム2017」へ参加してきました。
何やら掴みどころのないタイトルですが、現代の民主主義は政治だけでは完結せず、市民(シティズン)の役割が非常に重要であるという問題意識のもと、主権者教育について考えるフォーラムです。
今日の大きなテーマとしては、18歳選挙権スタートを迎える準備が出来ていたのか、またこれから何が必要なのかというものでした。
昨年の参院選から選挙権の年齢引き下げが行われました。当時は、主権者教育の議論も広く世間で巻き起こっていましたが、半年経ったいま、その論調は急速にしぼんでいるように思われます。しかし、むしろ重要なのはこれからで、次々にやってくる選挙をどう捉えれば良いのか理解してもらい、シティズンシップを発揮して頂かなくてはなりません。
講演では4つの違う立場、つまり執行部、選管、議会、学校という各組織で実践された先進例の報告を受けました。
共通して認識している課題は、主権者教育とは選挙教育ではないということ。つまり、ただ選挙や政治の仕組みを教えるのではなく、どのように積極的に考え、行動すべきかを感じさせることで、新有権者の市民性を育むのかがポイントだということです。
中でも、選挙権と運転免許の比喩が印象的でした。
運転免許は、教習所で座学を受け、現実を簡略化したコースで練習した後に、実際の道路で仮免教習を経て、ようやく本物の資格を得ることができます。しかし、選挙権においては、座学(=授業)や簡略化コース(=模擬選挙)、実際の選挙での練習(=実際の選挙での模擬投票)という訓練が可能であるにも関わらず、それらを飛ばしたとしても、関係なく(当たり前ですが)付与されます。
つまり、主権者教育なしに選挙権を行使することは、無免許運転のようなものだという例えです。これは少し言い過ぎの感もありますが、それくらいしっかりと主権者教育を実施する必要があるという思いの裏返しだと思います。
これまでも、選管や教育委員会・学校、時には議会も、様々な啓発を行ってきました。しかし、それらの枠組みを超えてでもシティズンシップを育てていかなければ、投票率向上どころか地域の担い手がいなくなってしまいます。若い世代に政治への関心を呼びかけていくにあたって、また新たな気づきを頂きました。
余談ですが、可児市議会は相変わらず素晴らしいですね。制度的な改革だけでなく、実質的な中身も勘案するのであれば、日本で一番進んでいる議会なのではないでしょうか。