武蔵小山から南北線で1本、東大へ。行政のデータを活用し、諸課題を市民の力で解決する「オープンガバナンス」の事例報告を聞いてきました。
これは、「チャレンジ!!オープンガバナンス2017」というコンテストに向けたイベントで、昨年も1度、講演会に参加させていただいた事があったものです。今日は昨年の受賞者による報告でした。
グランプリは、中野区の里親をしている方による、里親とファミサポを結びつけ、地域の子育て支援環境を整える取り組みでした。区が持つデータを元に、社会的養護の問題点を分析し、この取り組みの根拠として示しています。職員の方によると、業務負担はほとんどなく、データを渡すだけだった、とのことでした。
また、アイデア賞に輝いた川崎市宮前区の取り組みは、子育てを支援するお店などの細かな情報を集め、見える化したものでした。実感から課題を抽出し、データは後づけ的に用いたとの事でしたが、定性的なデータを扱う難しさも感じさせます。
もともとはピープルデザイン未来塾という、身近な困りごとをどう解決するかという講座からスタートしているそうで、さすがは福田市長が率いる川崎市だと思いました。
他にも、政令市の120項目データを作成し、比較を可能にした取り組みや、進路学習から発展してオープンガバナンスに取り組んだ高校など、先進的な報告がありました。
最も印象的だったのは、協働の類型において「市民参加型は行政の関与が大きい」という指摘でした。つまり、行政が何らかの事業を実施するにあたり、市民参加を用いる手法は一般的ですが、年度で区切られたり、一定の結果責任が伴ったり、着地点をコントロールしたりという側面があるということです。
真の協働とは、テーマ別コミュニティ型であるとし、市民が起点となることが重要であるとの意見に、ハッとさせられました。だとすると、市民参加型さえ不十分な目黒区は、この分野でも周回遅れになりつつあるということです。
オープンデータは推進すべきと考えていますが、その活用については、複雑な課題がありそうです。そろそろ私も、本腰を入れて勉強しなければ。