2017都議選を終えて

意見・主張

都民ファーストの大勝利、自民党の歴史的大敗で、今回の都議選は終了しました。それにしても、自民と公明が並んで23議席、続いて共産党が19議席というのは、いかにも衝撃的な状況と言えます。

民進は7議席から2減の5議席ということで、なんとか踏みとどまったという能天気な意見もありますが、私は深刻な状況がより鮮明になったと捉えています。

そもそも、都議会自民党に追従するという古い慣習と決別する時期を逸したこと、言い換えれば小池知事の改革路線に乗り遅れたことが、少なくとも東京都における民進党の壊滅的な状況を作り出しました。幹事長を除いても、最終的に16名もの離党者を出したということで、執行部ならびに都連会長の責任は重大だと思います。下村さんだけでなく、こちらも辞任に値するのではないでしょうか。
(※追記:その後、この日に松原都連会長が辞意を表明しました。)

なお、私が応援に入らせていただいた世田谷区の山口拓さん、中野区の西沢けいたさんは、お二方とも見事当選されました。おめでとうございます。また、ご支援くださった皆様にもお礼を申し上げます。

さて、とにもかくにも、新しい体制での都議会がスタートしますが、私は議会の劣化が本気で心配です。それは、政治の素人である新人が多いとかいうことではなく、社会を分断する議会になってしまうのではないかという懸念です。

議会には、都議会であれば127名、様々なバックグラウンドの方がいて、それぞれに都民の声を集めてくるのですから、一つの物事に対して様々な見方をぶつけ合って、一つの方向性を決めていくのが役割です。自民大敗とは言え23議席はあるわけで、それらを選択した有権者の意思も尊重され、丁寧な合意を形成しなければなりません。

数を持っているのを良いことに、少数意見に鑑みない決定がなされていくのであれば、それは首長が独りでやれば良い話であって、議会の仕事を放棄していると言えます。今の国会の自民党と大差ありません。

そうではなく、選挙が終わったからこそノーサイドで、「チーム議会」をつくり上げて、行政に対峙する議会の意思を決定していくのが、本来の役割だと思うのです。

都議会が変わるとは、覇権が移るだけではないはずです。今後の動きに注目します。