町村総会の是非?…大川村へ。

西崎つばさの活動

青年委員会2日目は、高知県大川村へ。議員のなり手が少なく、議会の存続が難しいとして町村総会の検討を表明し、業界に激震を与えた自治体です。

高知市中心部からバスで1時間半ほど。四国の島の中央部へと山道を走っていくと、大川村役場へと到着しました。人口は400人ほどで、離島を除くと日本で最も人口の少ない村です。高齢化率は約45%。

村の歴史を聞くと、上旬に訪問した夕張市に酷似していました。
元々は、銅を排出する白滝鉱山によって栄えていましたが、その閉山と早明浦ダムの建設による村の一部消失により、一気に人口が減少することになりました。昭和35年には4114人が暮らしていたのが、昭和45年には1900人、50年には933人。その後も減少は続き、現在の400人となってしまいました。

地方創生の観点からも関心はありますが、やはり議会の存在について。

そもそもは、町村総会を研究するという村長の言葉が大きく取り上げられ、独り歩きした感もあるようですが、議会の存続に難しさがあるのも事実です。前回の村議会議員選挙は無投票。議員の高齢化も明らかです。

また、単純に候補者がいないという訳ではありません。400人の村では、役場職員に加え、いわゆる公の場に出てくるような顔ぶれは同じ。村の仕事を受注している方や、公社に参加している方も議員との兼職はできません。報道によると、村の有権者の4割が兼職禁止の規定にひっかかるという分析もあります。

町村総会は、地方自治法に定められてはいますが、他の法的要件などには触れておらず、まだ現実的な選択肢として成立しているとは到底いえない状況なのです。

議長が議院運営委員会に議会の存続の可能性を諮問し、存続可能と答申を出したことから、町村総会の模索は事実上ストップした状態となっていますが、議会の意義を考えるうえで示唆に富んでいると言えるでしょう。

議会とは何のためにあるのでしょう。大川村が廃止をしてはダメだったのでしょうか。

まずは形式的要件の問題があります。予算や条例、その他にも議会の議決が必要であると法律で定められたものがあり、なくなっては困るというロジックは理解できます。

しかし、それを一旦おいておくと、どうでしょう。
よく「多様な民意を反映する」と言われますが、人口400人の村においては、村長だけでも全ての人の顔が見え、話を聞くことも可能ではないでしょうか。なるほど、そうは言っても首長への全権委任ではないから、議会での議論が必要との主張があるかも知れません。
しかし、議会は議論を、仕事をしているのでしょうか。予算や条例の修正、もしくは否決をしているのか。危機的な人口減少に対し、人口ビジョンや地方版総合戦略にどのような影響を与えられたのか。細かな要望を汲み取って、政策提案や条例提案ができているのか。

これは大川村だけではなく、全ての議会に向けられている問いだと思います。

究極の事例に、普遍的な問題の根源を探る。行って良かったと率直に思いました。そしていつもの結論と同じく、「議会がちゃんと仕事をするならば良いよね」となりそうです。(^_^;)