2020.3.16 予算特別委員会
予告通り、先週の金曜日に質問した内容を報告します。目黒区の保育園における、節分の豆撒きの対応を確認しました。子どもの事故予防議連で、各自治体の状況を一斉に確認しようというアクションの一環です。
節分の豆まきの危険性
目黒区立保育園は3歳児以上のクラスで実施
先月2月3日に、島根県松江市の認定こども園で、節分の豆によって子どもが窒息死するという大変悲しい事故が発生しました。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200212-00000155-kyodonews-soci
節分の豆による事故は過去にも多発しており、消費者庁はこれまでも、節分の時期が近づく度に繰り返し注意喚起をしています。
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/child/project_001/mail/20200130/
目黒区も、こども園や幼稚園など様々ありますが、今日は区立保育園について、節分の際にどのような対応を取っているのかを確認しました。
その結果は、3歳児以上のクラスでは、実際に豆まきを行い、保育士の見守りのもと、年の数だけ食べるようにしているとのことでした。
2つの大きなリスク
節分の行事において、幼児に実際の豆を扱わせる、さらには食べさせることは、大きく分けて2つのリスクがあります。
(1)食べるリスク
まずは、幼児が豆を食べることのリスクです。
先の消費者庁の注意喚起では、「豆やナッツ類は、3歳頃までは食べさせないようにしましょう」と明確に発信している。それは、臼歯が発達しておらず、豆のような固いものを上手くすり潰せないことに由来しています。
確かに、節分の時期の3歳児クラスは、ほぼ4歳という考え方もあるかとは思います。しかし、冒頭に紹介した松江市の死亡事故も3歳児クラスで、4歳の子が亡くなっているのです。
さらに、例えば内閣府や厚生労働省が公表している「教育・保育施設等における事故防止および事故発生時の対応のためのガイドライン(事故防止のための取組み)」においては、「過去に誤嚥、窒息などの事故が起きた食材は、使用しないことが望ましい」としていますが、実際に事故は発生しています。
また、このガイドラインで参考例として上げられている浦安市のマニュアルでは、給食での使用を避ける食材として「節分の鬼打ち豆」が明記されています。
(2)本物の豆を扱うリスク
次に、実際の豆をまくことのリスクです。
豆そのものをまくことは、幼児の手に実際の豆が渡るということになります。ただ、誰しも経験があると思いますが、節分の豆まきが行われる環境は様々です。
鬼も登場して「みんなで豆をまきましょう」と言っても、子どもがみんな集中して豆を鬼にぶつけるとは限りません。怖がって逃げるかも知れませんし、ふざけてハイになりすぎるかも知れません。
私も3人の未就学児がいますが、子どもは何をするか本当に分かりません。手に持っている豆を口に入れる可能性は、十分すぎるほどあります。
つまり、食べることを想定していなくとも、豆を持たせた時点で、事故を完全に防ぐのは不可能と言えます。まさに松江のケースも、柔らかくした豆を食べ終わった後に、豆まきをしている最中に発生した事故なのです。
だからこそ、危険因子、リスクは徹底的に取り除かなければなりません。場合によっては死に至る危険なものを幼児に扱わせていると、しっかり認識する必要があります。
これを解決するのは簡単で、そのままの豆を使わないことです。例えば、世間でも例が増えているようですが、小袋に入った豆をそのまま投げさせることや、丸めた新聞紙を代わりに投げさせることが考えられます。
事故予防の考え方を
節分という、日本の伝統を学ばせたいという気持ちも理解はできますが、子どもの命と引換えにするものではありませんし、学齢期に入ってからでも十分に学ぶことはできるはずです。
「そんなこと言ったら、何もできなくなる」と言われるかもしれませんが、豆類が特に危険ということなのです。実際に、窒息まで至らずとも、気管支炎や肺炎を引き起こす事例も多発しています。
これらは豆を食べさせず、使わせなければ防げる事故ですから、こうしたリスクを客観的に把握し、事故予防に努める必要があると思います。
区としても検討の余地はあるようですが、どうなるでしょうか。
本日の議題
<健康福祉>
・家庭福祉員
・学童
・エイジレス社会
・認知症の損保
・ロタウイルスワクチン
・補聴器助成
・災害時医療コーディネーター
・都立病院独法化の影響
・特定健診の期間
・がん検診(肺、前立腺、乳がん)
・路上生活者対策(女性の緊急一時宿泊)
・障害者の就労支援
・障害者施設の人材確保
・地域猫の不妊去勢手術助成
・エンディングサポート
・児童館整備
・ヒーローバスの安全対策
<産業経済>
・リフレッシュ湯、公衆浴場
・中小企業支援(コロナ対策の拡大、BCP、商工まつり)
<都市整備>
・キッズゾーン
・総合治水対策
・土のう拠点
・電柱の道路占用料
・無電柱化
・防災街区整備
・オーパス夢ひろばの修繕
・地域交通
・コミュニティバス
・生産緑地
・耐震化促進(新たなアプローチ)
・シェアサイクル(ポート、再配置、事業利用)
・木密地域整備事業
<環境清掃>
・新エネ、省エネ機器の災害時区民協力
・庁用車の電気自動車化
・環境への取り組みの見える化
・オリジナルエコバッグ
・食べきり協力店
・災害廃棄物
・空間放射線量の測定
・気仙沼バイオマス発電