2020.5.6 新型コロナPT研修
「東京若手議員の会」に設置された新型コロナウイルス対策プロジェクトチーム(新型コロナPT)では、日ごろから各自治体の対応状況や、国・都の動向についての情報共有を行っています。
今日はZoom研修として心理カウンセラーの浮世満理子先生をお招きし、新型コロナウイルスの脅威に覆われている社会の心理状況を解説していただきました。
メンタルの戦い
しばしば、今回の非常事態と比較されるのが2011年の東日本大震災ですが、大きな違いは危機に晒されている範囲です。2011年も稀に見る広範囲の災害だったとはいえ、全国で深刻な被害が直接出た訳ではありません。
今回は現実に日本中で危機感が広がっており、さらに政治や行政への信頼が揺らいでいる状況で、感染症そのものに加え、メンタルの戦いになると指摘されています。
3つの感染症
日本赤十字社によると、新型コロナウイルス感染症は3つの顔を持つとされています。
1つはウイルスそのものですが、それに加えて2つ目に不安や恐怖、さらに3つ目として嫌悪や偏見・差別という解釈です。
ウイルスが感染者などとの接触で移るのに対し、後者の2つは接触の有無に関わらず、瞬く間に伝染していきます。
心理学的にも、人間は見えないものに対する不安には堪えられず、目に見えるものを嫌悪の対象とし、遠ざけることで束の間の安心感を得る行動が分析できるそうです。
また、現在は外出自粛に伴うDVや虐待の増加が懸念されていますが、仕事がなくなったり、経済的な力が弱まったりしたことによって自己喪失感が起こると、失われたパワーを取り戻すために弱い立場の人間を攻撃することもよく見られる現象とのことで、こうした問題のケアが重要になっていることがあらためて確認されます。
地方議員のお悩み相談
研修ではさらに、SNSを中心に罵詈雑言を浴びせられている地方議員たちの悩みの話に移りました。
私は正直なところ、そこまで悪質な絡みを受けている訳ではありませんが、不安を感じている方々から多くのご連絡を頂いています。
仲間の中には、どこの誰かも分からない相手からの心ないコメントやメッセージで、メンタルがかなり追い詰められている議員が少なからずいるのも事実です。
ご教授いただいたテクニカルな対応方法は割愛しますが、いま攻撃的になっているのは「誰にも助けてもらえないと思っている人」であることがポイントで、絶対に見捨てないという思いを伝えるための、共感の言葉が最も重要であることが分かりました。
まとめ
社会の動きや議員としての活動を振り返るだけではなく、わが家の状況だけを考えても、学校や幼稚園が休校・休園となり外出自粛が呼びかけられている中、子どもたちには強いストレスがかかり、その親(妻や私)も同じように苦しんでいることが実感として感じられます。
もちろん、生活が立ち行かなくなっている深刻なケースも少なくないでしょうし、それが全国のいたるところで起こっているということです。
こうした事態への対処とともに、収束に向かい復旧・復興という段階にあたってどういう処方箋が必要なのか、心理学という客観的な捉え方も大いに参考にしながら、議会で考えていきたいと思います。