政治のヒーローと悪役

立教大学 R.A.

私が暮らすアパートの最寄駅周辺では、しばしばビラと横断幕を手に「アベ政治を許さない!アベ政治を許さない!」と声を荒らげている人たちを見かける。

私はこの光景をみるといつも自分の中で何がなんだかわからなくなる。正しいのか間違っているかわからなくなるのだ。今の政治が。そもそもこの口を揃えた人たちは自分たちのしていることが正しいと思っているのだろうか。私にはテレビに映る知識人の言葉を鵜呑みにし、鸚鵡返ししているようにしか見えない。今の政治に対するこの反発が私を含め、あの人たちにも本当に必要かどうか判断出来ていないと感じてしまう。

思えば、政治についてはわからないことばかりである。メディアは政治に動きがあれば、ここぞとばかりに賞賛、批判を繰り返す。直接的とはいかなくても視聴者の目にはさも決めつけたかのように。そんなメディアが仕立て上げた政治のヒーロー、悪役を私はその通り鵜呑みにしてしまい、いつも本当のところが見えなくなってしまう。私はそのようにして「この政治家はやっていることがダメだ。」、「この人はよい政策を行なっている。」と自分の考えのないまま判断してしまうのである。

大切なことは政治と私たちをつなぐ架け橋であるメディアに踊らされるのでなく、自分の意見、主張を持った上で政治を見つめることである。それが出来た上で賞賛、批判をすべきであって、メディアの言うことは参考程度にとどめておくべきではないだろうか。

私はそのようにして、これからの政治を確固たる自分の意思を持ち、見つめてゆきたいと思う。