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プラスチック資源循環促進法案への対応

つい先日(3/9)に、「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律案」が、閣議決定されました。小泉進次郎環境相が「プラスチックのスプーンやフォークも有料に」との発言が報じられていたのは、このことを受けたニュースであり、もともと通常国会に提出される見込みとなっていたものです。

このプラ資源循環促進法案では、事業者や自治体、消費者を巻き込んだプラスチック資源循環の全体像を示していますが、自治体にとって変更点の一つが、これまで容器包装リサイクル法に基づいてプラスチックのリサイクルを進めてきたものが、今後、いわゆる製品プラスチックもリサイクルの守備範囲に入るということです。

全国市長会は懸念を表明

世界的な問題となっているプラスチック対策を進めることは非常に重要ですし、大きく反対する者は少ないでしょうが、全国市長会からは、この動きに懸念を示す意見が昨年の11月に表明されています。簡単にまとめると、「新たな制度の導入によって自治体の負担が大きくなると、資源循環の継続や拡大が困難になる」という警鐘を鳴らすものです。

確かに、これまでも容器包装リサイクルの自治体の負担は大きいものがあり、例えば目黒区が2019年度にプラ資源のリサイクルにかけた金額は3億7千万円余りとなっています。

新たなリサイクルの対応について、政府は2022年度、つまり来年の4月からの導入を目指すとも報じられています。だとすると、目黒区も来年度のうちに相当大きな準備を迫られることになり、かなり影響の大きな法整備であると言えます。

ポジティブなメッセージを

ただ、気になる点があります。

国が大上段から施策を降ろしてきて、自治体が振り回されるという、特に最近お決まりの構図になりつつあることは理解できるのですが、持続可能な社会に向けた資源循環という、施策の方向性そのものは決して間違っていないと思うのです。

上記の市長会の意見を見ると、どうしても、「資源循環は大事だが、国の措置が足りていない」というニュアンスを強く感じてしまいます。そもそも、そういう趣旨で発された物なので仕方ないとは思いますが、SDGsに象徴される持続可能性を追求する姿勢は、大事にされるべきでしょう。

自治体の負担が過度に大きくなることや、準備の時間が極めて短くなる懸念は重々承知しますが、逆に「国の措置は足りないけれども、プラ資源循環は大事だ」といったポジティブなメッセージを発しながら、オール目黒、オール日本で取り組んでいけるよう、前向きに進めていくべきだと思います。