クラウドソーシング

西崎つばさの活動

若市議の栃木研修2日目。
佐野市から足利市へと舞台を移し、クラウドソーシングとフィルムコミッション(FC)について学んできました。

FCについては、茨城研修時のブログでも所感を記したので割愛します。
目黒区は恵まれている、という事に尽きます。

一方で、非常に斬新かつ興味深かったのは、足利市のクラウドソーシング事業です。
クラウドソーシングは、言葉を分解するとクラウド(群衆の意、ファンディングで使われている方です)にソーシング(委託)となり、ネットを介して、初めは相手を指定せずに仕事を発注することです。
受注者側は、やはりネット上で依頼に対する提案をし、契約に結びつけることができます。

クラウドソーシングを用いると、例えば東京に拠点を置く事業者の依頼でも、日本全国(海外でも可能ですが)の方に受注のチャンスがあるため、地方に仕事が生まれるという利点があります。

足利市の取り組みは、ライティングやデザインの仕事を念頭に、これを受注できるスキルを身につけてもらう講座や相談窓口の設置、さらには実際の受注までのフォローをNPO法人に委託しているもので、地方創生先行型の交付金事業として実施されています。

しかし、疑問があります。

この事業についての説明会に来たのは、ほとんどが子育て中の女性や主婦の方でした。現在、実際に講座を受講されている方も同様です。この状況は、新しい事業であることや、開講日が平日であることを勘案しても、地方創生を目的とした本来の趣旨とは違う方向を向いている気がするのです。

足利市の事業には定員の2倍の申し込みがあったそうですが、都心近くに位置する目黒で同様の事業を行ったとしても、おそらく同じような状況になるでしょう。

つまり、働きたい、もう少し家計の収入を増やしたいと思っている子育て中の女性にとっての、新しい仕事のあり方という側面が強いのではないでしょうか。

「足利に住もうと思っても仕事が少ないが、これを生業とすれば暮らしていける」という方が増えるのであれば別ですが、近辺にお勤めになっている旦那さんをお持ちの方がクラウドソーシングで稼げるようになっても、地方創生に直接的に寄与する訳ではありません。

そうは言っても、強く進めていくべき取り組みだと思います。
テレワークにも少し似ていますが、今までの働き方を変え、多様な人たちが多様な状況で仕事ができるようにするための有力な手段です。もはや自治体レベルではなく、国レベルで扱うべき事だと思います。

その上で最大の課題は、受注者よりも発注者のサポートかも知れません。
どのような類の仕事がクラウドソーシングで依頼できるのか、メリットは何なのか、特に中小企業の理解を深めていくのが肝要だと思います。需要が増えれば、自然と供給も増えていく事でしょう。

まだまだ小さな種かも知れませんが、素晴らしい話を聞けました。目黒区でどういう事が可能なのか、少し考えてみたいですね。