前半戦が終了した今回の統一地方選ですが、もっと大きく取り上げられるべきだと私が感じているテーマがあります。それは、介護保険の制度変更です。
昨年の衆議院厚労委員会で、19本もの法案を一括りにして強行採決、成立させられた「地域医療介護確保法(および関連法)」に関する制度変更が、この4月からスタート(2018年まで猶予あり)しているのです。
基本的な方針について(全国担当課長会議の資料)
予防給付の見直し(社会保障審議会の資料)
様々な内容がセットにされていますが、最大の問題点は、従来の要支援1・2の方々が利用していた訪問介護と通所介護が国の事業から切り離され、自治体に任されることになったことです。厚労省の狙いの一つは、これらの事業を各自治体を通じてボランティアに担ってもらうことですが、そこには様々な問題が存在します。
例えば、要支援1・2には軽度の認知症の方々も含まれますが、今までプロのヘルパーは、ただ身の回りのお世話をするだけでなく、ご高齢者が発するわずかなサイン(悪化の兆候など)を見逃さないよう、常に注意をしていたわけです。
しかし、資格を有せず、お手伝いをするだけのボランティアでは自ずと限界が出てきます。
要支援の方が重度化するのを防ぐことは、ご本人にとっても、全体の費用抑制にとっても重要なはずですが、それが今、大きな岐路に立たされているのです。
上記の2事業は今後、地域支援事業という形で自治体が担うことになりますが、目黒区として、どのように質を担保して介護予防を推進していくのか。住民の生活に直結する課題なだけに、もっと議論を喚起する必要があると思いますが、メディアを通じてもあまり声が聞こえてこないのが現状です。。。