最近、「地域猫活動」について教わる機会がありました。ローカルでは地域の野良猫を増やさないため、大きくは猫の殺処分数を減らしていくための活動です。
犬猫の殺処分が好ましくない、というのは殆どの方に理解して頂けると思います。日本全体では、毎年10万頭以上の犬猫が殺処分となっています。
2015犬猫殺処分数(都道府県・中核市別)
しかし、それを減らすための方策については、全くと言っていいほど理解が進んでいないのが現実です。
地域猫活動は「TNR(Trap Neuter Return)」、すなわち一旦つかまえ、避妊去勢手術を施して、元の場所に戻す事が核となっています。面倒を見る人がいない猫を増やさないための手段です。そのためにも、ゴハンをあげて慣らしつつ、ある時期につかまえる事が必要なのですが、ここに理解のない方が非常に多いのが問題となっています。
実際に、活動をしている方は全員(と断言します)、近所の方にクレームをつけられたり、時には怒鳴られるような経験をしています。「地域で勝手に野良猫を飼うな、迷惑だ」という論理です。しかし、彼ら/彼女らが面倒を見ながらTNRを行わなければ、猫は増えていく一方です。猫を減らすために、自らの時間とお金を割いて活動をしているのに、文句を言われる筋合いはないでしょう。
うちの近所でもノラの仔猫が大発生した時期がありましたが、地域の方が面倒を見ながら手術を受けさせたり、引き取り手を探したりした結果、猫の数が激減して安定した状態になりました。
このように、猫を好きな人にも嫌いな人にも、全ての方にとってメリットがあるのが地域猫活動ですが、最大の課題は、活動が周知されていないことと、担い手が少ないことです。ここに、行政はどのように関われるでしょうか。
例えば千代田区は、この活動を積極的に推進していますが、目黒区は手術の助成金の制度こそあれ、それ以外には殆ど何もしていないのが現状です。
私も無類の猫好きということもありますので、具体的に何ができるのか、今後積極的に調査・研究していきたいと思います。