今日は若手議員の会、児童虐待防止PTの研修で、和光市の子育て世代包括支援センター、通称「わこう版(日本版)ネウボラ」へ行ってきました。以前から、ずっと見学したいと思っていた施設です。
「ネウボラ」とは、フィンランド語で「アドバイスの場」という意味で、その名の通り、フィンランドにおいて妊娠から出産、子育てまで、あらゆるフェーズで相談することのできる子育て支援拠点を指します。
現地では、「妊娠したと思ったら産婦人科よりも先にネウボラへ行く」と言われているほど、親御さんにとって安心できる存在となっているようです。
これを日本で先駆的に行っているのが和光市です。
母子手帳を交付する際にアンケート表を渡して、家庭環境や心身の調子から経済状況に至るまで、気になる点を洗い出し、必要に応じた相談や支援を行います。
介護の領域で行われているように、母子保健ケアマネージャーまたは子育てケアマネージャーが個々にケアプランを作成し、ショートステイやデイケアなどの通所型サービスや、看護型・ヘルパー型の訪問型サービス(→高齢者を対象にした仕組みを、そのまま応用しているそうです!)などを組み合わせて母親を支えていきます。
こういったサポート体制も素晴らしいと思いますが、何よりも重要なのは、「和光市は本気で子育てを支えていく」というメッセージを打ち出し、親御さんが安心して頼れる拠り所になろうとしている点だと思います。
私も父親として至らないため、どの口が言うといった感じですが、子育てにおいて母親は孤独になりがちです。
実家も近くにない、近所付き合いもない、父親は仕事で日中いないという環境で、楽しい半面、辛さや重圧に潰れそうになる場面も非常に多くあると思います。さらには、「幸せの象徴であるはずの子育てで、他人に頼るなんてしてはいけないし、自分が劣っているのだ」という強迫観念もあるでしょう。
そうではなくて、「時代は変わったのだ、行政が母親を全面的にサポートするから、迷わず相談して欲しい」という拠点を整備することは、大きな力になると思います。虐待の減少にも寄与するでしょうし、2人目、3人目も育てようという気持ちにも繋がるでしょう。
まさにここが、今の日本が最も力を入れなくてはならない所です。「未来への投資」を具現化した事業だと思います。目黒区は常に右へならえで、先進的な取り組みに二の足を踏んでいますが、このネウボラには国も注目し始めています。
どのタイミングで舵を切れるでしょうか。