災害時に議員は?

西崎つばさの活動

ローカル・マニフェスト推進地方議員連盟の定例勉強会。今回は、熊本地震を受けて急きょテーマを変更し、横浜市の災害時自助共助推進条例を学びました。

講演者は、私の一歳年上の草間剛横浜市会議員。

横浜市では、議員提案で政策条例が制定されることが定着しています。そのうちの一つが、「横浜市災害時自助共助推進条例」です。
条文(横浜市サイトです)

ご覧になると分かるかと思いますが、条文は驚くべき内容です。行政からは絶対に出せない条例です。「公助」を担当する行政が、その事に一切触れずに自助と共助を市民に求める条例など、出せる訳ありません。

しかし、横浜市会はそれを議員提案で制定しました。制定すれば、それは行政を縛る条例となります。まさに、議会が決定機関としての役割を果たしたと言って良いでしょう。

さて、条例の中身ですが、市民に対して、生活物資の備蓄や耐震改修、家具の落下や転倒の防止や防災知識の習得を求めたり、事業者に対して従業員の留め置きや事業活動の継続を求めています。また、共助の観点では防災組織や防災拠点を規定しています。

しっかりと運用もされており、条例を根拠に自助・共助を求める施策が行われています。

また、横浜市会では、BCP(業務継続計画)を昨年10月に策定しました。行政ではなく、議会のBCPです。マニフェスト研究所によると、災害時の議員の行動指針やマニュアルを策定しているのは、全体の3割弱との事です。

ちなみに、目黒区議会には災害時に特化した計画等はなく、議会の「申し合わせ事項」に災害時の行動が規定されていますが、その中身を見ると、
・災害対策会議を設置し、対策本部(行政)と協力して災害対策を推進すること。
・議員の安否確認をすること。
くらいしか書かれていません。被害状況の確認など、実際に行動するのは職員ですし、おそらくこのままでは何も出来ないでしょう。例えば避難所での意見調整など、議員だからこそ出来る役割があるかも知れません。

横浜市の例を参考に、目黒区の行政や議会の災害対策も、あらためて考える必要があるのではないでしょうか。