若市議東京ブロックの春研修2日目は、近いようで遠い、お隣りの世田谷へ。普段から親しくさせていただいている民進区議のご協力を頂きながら、世田谷区が進めている若者支援政策と、下北沢エリアのインバウンド対策という2つのテーマを設定しました。
まず1コマ目の若者支援ですが、これは保坂区長の肝いりとも言える事業であり、かねてからレクを受けてみたかったテーマです。若手議員にもピッタリの内容ですね。
多くの自治体では、子どもや高齢者向けの施策は様々なものがありますが、青少年や若者を対象にした事業はあまり多くありません。世田谷区は、ここに着目したということです。担当課が新設され、従来の「子ども部」も「子ども・若者部」に改められました。
取り組みの中身は、大きく分けて2つ。「若者の居場所づくり」と「生きづらさを抱える若者のサポート」です。
前者については、区内に青少年交流センターという拠点を2ヶ所(もう1ヶ所もオープン予定)整備し、それぞれに特色を出して、若者が主体となってイベントを実施したり、地域と関わったりしています。また、もっと幼い子どもが対象であると思われている児童館も、利用者のいなくなる夕方以降を活用して、中高生世代の居場所づくりを目指しています。さらには、区内の大学と連携し、若者向けの居場所を大学生が運営する取り組みも2ヶ所で行われています。
後者については、若者総合支援センターを設置し、どんな悩みを抱える若者であっても、「とりあえずここに来れば何とかなる」という体制を整えています。というのは、生きづらさを抱える若者も様々であり、引きこもり等で社会に参加するところからの支援が必要なケースや、働くための準備が必要なケース、具体的な就職活動のサポートが求められるケースなどがありますが、それらをワンストップで受けとめることを目的としているのです。
また、さらに発展した事業として、「せたがや若者フェアスタート事業」があります。
これは、児童養護施設等を退所する若者を支えようという事業で、住宅支援、居場所支援、給付型奨学金の3つの柱からなっています。奨学金については政府も実施の方向で動いていますが、世田谷区が先行している形になっています。担当課長からは、仮に国が実施したとしても、退所者に家庭的支援が不足していることに変わりはない、という旨の説明があり、強い決意を感じさせました。
私もこれまで、若者を区政に巻き込んでいくべきという発言はしてきましたが、世田谷区がこれだけ真剣に若者を支えようという姿勢を示していることには感銘を受けました。自己責任論がまかり通る昨今、将来の社会を担う世代を大事にしようという紛れもないメッセージを発信しているのだと思います。
TTP。目黒区での可能性を探らなければ。