文教・子ども委員会視察シリーズ第3弾。今日は区内の小中学校を訪問しました。行程はこちらです。
まずは昨日の避難所運営訓練でもお邪魔した向原小学校。朝、自宅から区役所まで行って、そのまま戻ってくる行程に無常感をおぼえましたが、仕方ないですね(^_^;)
さて、向原小は10学級で全校児童263名。昔から「よく考える子、じょうぶな子、やさしい子」という目標がありましたが、それに加え、今は「かかわりを大切にする子」が重点目標になっています。大きな特徴は、午前5時間制といじめ防止プログラムの2つと言って良いでしょう。
午前5時間制は、元来45分であった1コマの授業時間を40分に短縮し、カットした分の時間を午後の学習タイムに充てるという手法です。
集中力の高い午前にまとめて授業を行える点や、午後に何らかの行事が入っていても5時間が確保できる点、また朝8時過ぎから12時半まで授業となって給食が遅めになるため、朝食を取る率が高くなるのもメリットと言われています。
一方、45分で設計されている授業内容を40分で実施することが求められているため、他区からの転任や新任の教員にとっては、40分での授業に慣れる必要があります。
いじめ防止プログラムについては、以前にも触れたかと思いますが、九中校区(九中、向原小、原町小)で実施されており、小学校ではいじめの定義から始まり、その背景、自己肯定感、「断る」事などを学んでいきます。中学校では、スクールバディまで発展します。
なお、当然の事ながらイーストの子たちに見つかりました。(笑)
次は十一中を訪問。8学級の231名。1年が加配によって3クラスとなっています。生徒の自立を重視。
地域との関係性が強いのが特徴で、サマースクールや宿泊訓練、プールを使っての釣り大会などを地域の人材、力を活用して実施しています。
また、スーパーアクティブスクールとして指定されており、運動意欲や投力の向上、コーディネーショントレーニングによる自然で効率的な身体の使い方の学習などに取り組んでいます。
さらに、ハートフルウィークを設定し、全校生徒が先生と面談するのですが、その際に相手となる先生を希望できるのもユニークです。ただ、指定したのは全体の1割ほどだそうです。
なお、すぐ近くに東工大があるため、大学教授に理科の特別授業を実施してもらったり、施設の相互利用などといった連携が取られているのも魅力的ですね。
次は緑が丘小。8学級235名で、何と言ってもオープンスペースの建物が特徴です。完全な仕切りのない空間に2つの教室が並んでおり、それぞれの声も聞こえる中での授業となりますが、授業に支障はないとの事。緑が丘小に限りませんが、オープンスペースは、私が小学生の時から話題となっていたように記憶しています。
英語の学習について、トライタイムを設けているのが独特の取り組みで、火曜と木曜の朝15分に加え、金曜の清掃時間15分も充てられており、その時間は英語のみを使って掃除をするとの事です。
また、こちらはこども園も設置されており、小学校との連携しています。
なお、私的な感想ですが、これまで見てきた学校の中で、最も靴がきれいに下駄箱に収められているように感じました。以前、ある学校長から、靴の収納状況で児童生徒の状態が分かると教えていただき、どこでも気にしていたのですが、こちらは驚くほどキチンとしています。
最後は中根小。12学級の413名。
就任1年目の校長先生により、中根スタンダードを策定している最中との事です。学力向上対策の一貫として、学習規律を徹底し、どのタイミングでどの先生が受け持っても、同じように教えることが可能である状態を目指しているようです。
教育開発指定校であり、旧アクティブラーニング(主体的・対話的で深い学び)の先行事例の研修会を行うなど、教育内容の充実に努めています。また、特別支援教室の拠点校となっていることもあり、通常級に対する特別支援教育理解のための教育を実施しています。
なお、ほぼ全ての学校に共通しているのは、教員の育成を課題に挙げていることです。中堅世代が減る中、ベテランのノウハウを伝えるとともに、若手を即戦力として起用していくための教育、OJTなどが非常に重要となっています。これは、どこの業界でも同じかもしれませんね。