若市議の視察ツアー2日目。札幌市役所へ伺い、路面電車のリニューアル事業と、パートナーシップ制度について職員の方からご説明を頂きました。
(路面電車)
札幌市の路面電車は、1日平均約2万3千人の方が利用しており、通勤や通学といった日常の足から、観光客まで幅広く使われていますが、歴史的には、地下鉄の整備などのモータリゼーションによって、次々と路線が廃止され、最後の路線の存廃が議論されるようになりました。
しかし、平成17年には存続が決定され、22年には延伸の方針がまとめられ、その後にループ化事業が計画されました。ループ化といっても、既存の路線で途切れていた400mを接続するものですが、これによって利便性の向上や利用者の増加が図られています。
同時に、低床車両の導入やICカードの導入、情報モニターや運行情報サイトの充実、バリアフリー化、再度リザベーション方式の採用、特例占用による「すわろうテラス」の設置など、様々なサービス向上手法が取り入れられました。
低床車両。
すわろうテラス。
サイドリザベーションについては、両側で実施したのは札幌が初めてとなっています。タクシーの乗降やトラックの荷捌きのためのスペースは別に確保しつつ、乗降客の安全や利便性に寄与しています。
収支でいうと3千万円ほどの赤字となっていますが、だから不要なのか、だからこそ行政が手がける必要があるのかは議論の分かれる所です。
(パートナーシップ制度)
渋谷や世田谷で採用されているLGBTの方々を対象にしたパートナーシップ制度ですが、札幌市は2017年6月(つい最近です)、政令市では初めて導入しました。
きっかけは市民団体からの要望だったそうですが、要望書には144名が、市民だと証明するために住民票をつけて提出したとの事です。その後に検討を重ね、一部の議員からの猛反対に遭いながらも、最終的には実施に至りました。なお、開始が6月と中途半端なのは、その反対した議員の影響とか。
早くも、これまでに26組が宣誓しており。現段階で予約が1件あるそうです。また、電話相談事業もスタートし、これまでに13名からの相談を受け付けています。
特徴的なのは、これらの施策が市長のトップダウンではなく、所管部署のボトムアップで練り上げられた点だと思います。法務省や内閣府といった国の機関は方針だけ定めていますが、具体的な制度はなく、それができるのは基礎自治体であるという思いからだそうです。
私も目黒区議会で、文部科学省の通知(平成27年)を取り上げましたが、区は積極的であるようには思えません。もとより、多様性を認めることに反対などしようがないのですから、また様々な提案を行っていきたいと思います。