本会議での一般質問が終了しました。結論から言うと、時間配分を見誤り、組み立てた論理を思うように述べられませんでした。正直な話、あれほど冗長な答弁をされるとは思っていませんでした。ただ、多少の成果もありましたので、今回の質問の概要を掲載します。
1.財政運営について
東山小学校の改築が緊急財政対策で延期になったことに伴い、建築コストが約10億円上昇したと答弁がありました。資材の高騰や人件費の上昇は社会情勢の変化によるものですから、コストが上がるのはやむを得ない部分があると思いますが、市場のトレンドを把握し、中長期的な視点で事業を管理すべきだと思いますが、契約課がこれを行うとしつつも、責任の所在については明確な答えがありませんでした。時間の都合上、再々質は諦めました。
2.行政改革について
緊急財政対策にかかる事務事業見直しの検証について、4年前は「廃止」と判定された58事業のうち、1件が新規、2件が拡充、2件が継続と評価が変更になりました。そのうちの1つである商店街活性化事業では、以前は廃止とされた事業に約1000万円の予算がつけられています。その理由を尋ねましたが、明快な答弁は得られませんでした。成果指標を定める提案をしたかったのですが、これまた時間がなくなり、割愛しました。
商店街活性化事業(再掲です)
また、今回の検証結果では、平成24年度以降の新規事業109件のうち、廃止が7件、休止が2件、縮小が3件となっていますが、いずれも役目の終わったものや単年度事業であり、スリム化するということが一切できていないのでは、と指摘をさせて頂きました。トータルでは削減しているという答えがありましたが、今後、こういった行政評価を恒常的に行っていく仕組みを構築すべきだという提案については、全く答弁を頂けませんでした。
緊急財政対策にかかる事務事業見直し(目黒区サイト)
検証結果について(総括)
3.保育園について
(1)認証保育園の認可化
認証保育園の認可化については、定員の問題があります。現在の待機児童294名のうち、87%が0歳~2歳に集中しています。認証は2歳までしか枠のない園もありますから、認可化を進めることによって、問題解決に逆行してしまう可能性を指摘させて頂きましたが、定員枠については柔軟に対応していくとの事です。
また、認可移行にあたっては、助言指導事業が民間業者に委託されているのですが、この受注企業は都内で55ヶ所の保育所を運営する、業界大手です。認可化申請の要項には財務書類の提出も必要とされていますが、区内の認証保育所運営事業者にとっては、同業者に財務状況を明らかにするのは抵抗があるのではないかと指摘をさせて頂きましたが、これには柔軟に対応し、財務関連の項目は独自で進めてもらう選択肢も用意する、という旨の答弁がありました。
(2)保育士の確保
目黒区では既に保育士の不足で予定通りの定員枠を確保できなかった経験がありますが、今後ますます、保育士の確保が課題になってくると思います。世田谷区や大田区では、国や都の制度を活用し、保育士の家賃を最大8万2千円補助する支援策を打ち出していますが、これについては、財源を見ながら検討していくようです。しかし、私は非常に優先度の高い施策だと思います。来年度以降、保育士が就職先を選ぶ際に、手厚い支援制度のある世田谷や大田を選んでいく可能性は非常に高く、目黒区内で保育士不足が深刻化する危惧をもっています。
保育士宿舎借り上げ支援事業(厚生労働省から得たポンチ絵)→これに東京都が独自に1/4の補助を出すため、実質的には区が1/8、事業者が1/8の負担となります。