2018.6.18 本会議(議事次第)
今日から、第2定例会が開会。初日は一般質問が行われ、私も登壇させていただきました。テーマはRPAとペーパーレス化です。以下、概要を報告します。
RPA
RPAは、昨年12月にLM地議連の勉強会で学んで以来、いつか提案しなければと思っていたトピックです。あれ以来、早速いくつかの自治体での検証事例が報じられましたし、直近では東京都も導入の方向性を示しています。
RPAとは
細かな説明は、世に溢れている他の記事に譲りますが、RPAとはロボティック・プロセス・オートメーションの略であり、これまで人がシステム上で、いわばパソコンで行ってきたマウスやキーボードの操作を、ソフトウェア型のロボットに任せ、作業を自動化する手法のことです。いわゆるホワイトカラーの業務を代替する技術として世界的に導入が進んでいます。
仮想知的労働者、デジタルレイバーとも呼ばれ、システムの相互連絡や交通費の精算、データの正確性チェックなど、教えられた定型業務であれば、24時間365日迅速に正確に、しかも文句も言わずに働いてくれるというのが最大のメリットです。
導入ハードルの低さ
現在、RPAが民間での導入が急速に進んでいる理由の一つが、導入のハードルおよびコストの低さです。
RPAの導入には、既存のシステムを改修する必要がなく、従来の業務プロセスのまま、人が担っていた部分をソフトウェアに置き換えることが可能です。また、動作の設定や運用にプログラミング等の専門知識が必要なく、商品によってはマウス操作だけでシナリオが作成できるようになっています。
さらに、導入コストも数十万円からと、従来のシステム開発を考えると極めて安価であり、費用対効果が非常に高いと言えます。
自治体での導入例
まだ少ない自治体でのRPA導入事例で、最も先行しているうちの一つが茨城県つくば市です。同市は、今年の1月から4月にかけて、RPAの活用について民間事業者との共同研究を行いました。
http://www.city.tsukuba.lg.jp/jigyosha/oshirase/1003854.html
実証実験の結果を踏まえ、5月に公表された報告書によると、市民税課の業務全体の5%にRPAが適用できた場合、年間で1400時間以上の作業時間が削減できると見込まれています。
これを受けて、つくば市は年度内の本格導入を目指して動いています。
目黒区も導入に前向き
以上のように、RPAは導入しやすく、かつ業務効率化について大きな成果を上げることが期待されており、今後の行政改革を考えた時には避けて通れません。
ロボットが対応可能なものはロボットに任せてしまい、そのぶん人でなければ出来ない、区民の心に寄り添った相談業務であるとか、創造的な仕事に人材を投入し、行政サービスの向上を図るべきだと思います。
質問に対する答弁では、「年度内に調査研究を初め、導入を前向きに検討していきたい」と、かなり積極的な姿勢が示されました。今後の動きに期待しています。
ペーパーレス化
ペーパーレス化と言うと、「何を今さら」と思われそうなトピックですが、実際に役所では紙文化が根強く残っているのが現状です。先日のブログでご報告した豊島区の事例は、極めて異例と言えます。
働き方改革の観点
しかし、RPAやAIの導入効果を最大限に高めることや、そもそも紙の取り扱いによって発生している業務を見直すことは、いま日本中で叫ばれている働き方改革に大きく資するものであると思います。
技術革新に伴い、ペーパーレス化のハードルも低くなってきており、今すぐ真剣に検討しなければ、今後の行政改革において、紙文化が必ずボトルネックになります。
目黒区も計画はしている
実は目黒区も、2016年に改定した情報化推進計画の中で、「タブレット等を利用した会議資料のペーパーレス化」を掲げています。
しかし、計画年度となっている2016~2020年度において、「検討・試行・検証・実施」と一括りにされており、現時点での取組状況は見えてきません。
確かに、役所全体を一度に変えようとすると、様々なひずみが発生し、結局進まないということも考えられます。であれば、導入しやすい部署からスモールスタートでも確実に取り組んで、横展開していくべきだと思います。
ついでに、議会のペーパーレス化もお願いしたいところです。。。