東京事務局長、退任します。

研修・視察

今日は「東京若手議員の会」の年次総会および研修会。1期目ながらも事務局長に抜擢いただき、これまで2年間務めてきましたが、本日の総会をもってバトンタッチすることになりました。研修の設営など、これまで本当に大変だったぶん、非常に感慨深いです。同会には、引き続き一役員として関わっていきます。

2018.7.27 多摩研修

総会と併せて、私と同時に代表を退任する遠藤ちひろ議員のお膝元、多摩市にて研修を行いました。全児童にタブレットを貸与する愛和小学校の視察以来です。内容は、多摩市のシティセールスと、本会に設置された児童虐待防止PT、議員立法PTそれぞれの報告です。

シティセールス

多摩市は2017年、東京都では初めてとなるシティセールス政策監を設置し、市のイメージアップを図っています。政策監とは、部長と副区長の間に位置するポストで、多摩市では健幸まちづくり政策監に続いて2人目の登用です。

多摩市のアンケート調査において、同市がオールドタウンなど、ネガティブなイメージを持たれている課題が見えてきたことから、シティセールスでは、大学生を中心とした若い世代をターゲットに設定し、若々しいイメージを獲得することが目指されています。特産品などが少ないことから、市民を主役とする戦略的な広報活動を行い、全庁的なアクションプログラムに繋げているのですが、ここが政策監の効果が発揮されるポイントですね。

また、博報堂からも人材を獲得し、小田急線および京王線のダイヤ改正に合わせたキャンペーンを、webニュースやテレビ局、新聞社といったところに働きかけ、広告費を大幅に上回る効果が得られたとされています。なお、現代においては、やはりwebが流行の先頭を行っているということで、多摩市在住の柔道家、松本薫さんを起用した動画などを大々的に打ち出しています。http://www.city.tama.lg.jp/0000006589.html

目黒区を考えると

遠慮なしに言えば、目黒区は多摩市よりも圧倒的に対外的な知名度があり、黙っていても人が引っ越してきたり、訪れたりしています。

しかし、目黒に足りず、かつシティプロモーション等の考え方で重要なのは内向きの対策、区内におけるブランディングだと思います。目黒区民にとって、目黒はどういう街なのかが一部でも共有できるような仕掛けがあれば、より区に対する愛着を喚起できると思うのですが、現在の所そういった取り組みは見つかりません。今後の課題です。

児童虐待防止PT

虐待防止PTについては、6月に小池知事に提出した緊急提言に全てが詰まっていると言えます。
https://www.n283.com/archives/6742

今後は、全国の若手議員が共通の質問を各自治体にぶつけていける仕組みの構築に向けて動いていく予定です。私もPTメンバーとして引き続き活動します。

アフターケア事業「ゆずりは」

また、今回は新たに、児童養護施設などを退所した方を支えるアフターケア事業を行っている「ゆずりは」の所長である高橋亜美さんから講演を頂きました。

虐待を経験して大人になった方は、社会に出てからも困難を抱えるケースが少なくありません。それは精神的な問題もありますし、保証人が立てられないといった現実的な問題もあります。また、社会的養護の元には置かれていなくても、被虐待経験がある子どもが大人になったという潜在的なケースもあり、こちらに相談が寄せられています。

この事業の最大の意義は、困難な状況にある方を受け止め、寄り添うことにあります。

つまり、既存の支援制度があっても、訪問や手続きに困難があるためにそれらを使えない、もしくは助けを求めていい状況なのかが分からない方に対応する役割が必要なのです。仕組みだけは行政が整えて、それを真に必要とする人に届いていないのであれば、絵に描いた餅としか言いようがありません。

この問題は、行政側の姿勢にも改善の余地はありましょうが、どこまでも突き詰めるのは不可能だと思います。だからこそ、最も近くで伴走することのできる「ゆずりは」のような存在が重要だと言えます。役所が支援策を打ち出すにあたっては、上記のような認識が不可欠でしょう。

議員立法PT

こちらは昨年に発足した、議員提案条例の制定を目指すプロジェクトチームです。1年かけて、都市部の自治体が軒並み苦しんでいる「ふるさと納税」の影響に対応するためのモデル条例案を取りまとめました。

私も参加していたのですが、法的な背景を含む制度の研究から立法事実の確認、条文の作成など一連の立法作業を辿っていったことは非常に良い経験となりました。

今後は、個々にアレンジした後に各議会での提案を目指していくことになりますが、そこが最も難しいところとも言えます。目黒区で何ができるかは分かりませんが、各地の仲間とともに積極的に議論を進めていきたいと思います。