ついに南部、西部地区の再編へ
今月初旬の委員会にて、目黒区立中学校の統廃合についての新たな方向性が示されました。結論から言うと、7、8、9、11中の4校を2校に統合し、2022年4月にスタートさせるというものです。
これまでの統合方針でも「4校を2校程度」とされてきましたが、今回の考え方で明確に2校とされ、また統合時期も明示されたことから、関係者や地域での様々な議論が加速することと思われます。
目黒区ではこれまで、中央中(2、5、6中)と大鳥中(3、4中)の統合を経験してきており、積み上げてきたノウハウを活かしながら、具体的な手法を探ることになります。
今回の方向性の概要
統合の組み合わせ
対象となっている7、8、9、11中の4校ですが、統合の組み合わせは明らかにされていません。というより、内部でも決まっていない状態です。ただし、今回の方針では、いずれかの2校ずつを統合することが明示されたということです。
統合時期
統合新校は、2022年4月に両校とも同時に開校されることになりました。もちろん、どの場所に設置されるのかは決まっていませんが、開校当初はいずれかの旧校舎が活用される予定であり、その後の本校舎の改修などについては定まっていません。
統合の賛否 … 西崎は推進派
中学に限らず、既存校の統廃合には様々な立場からの意見が行き交います。特に、地元に住み続けている卒業生への対応には苦労すると言われています。長い歴史を有する地域の学校の姿が変わってしまう、もしくは無くなってしまうことに抵抗を感じる気持ちは大変よく理解できます。
私自身も目黒九中が母校であり、どんな経緯を辿ったとしても学校が今のままとはならないことに寂しさを感じるのは事実です。
しかし、それでも私は統合の推進派という立場を取ります。理由は2点です。
今の子どもたちの学習・指導体制
これまでの区の方針でも、中学校の望ましい規模は3学年で11学級以上とされてきました。これは、単純に生徒数が多いという理由だけでなく、11学級の場合、正規教職員が20名配置されることになっており、子どもたちへの指導体制を充実させることができるからです。
詳しく説明すると、教職員が20名である場合、校長、副校長、養護教諭、事務職員の4名を除く16名によって、
・5教科(国、数、理、社、英)に2名ずつ→10名
・実技系教科(音楽、美術、技術、家庭、体育(男/女))に1名ずつ→6名
上記のような配置が可能です。これにより、指導研究の充実や公務負担の分散といった、現実的なメリットを得ることができるのです。
いよいよ中学でも単学級の学年が存在している現在、従来の規模で11学級の編成を保つことは不可能です。公立校を選んだ子どもたちの学ぶ環境を充実させるためにも、統合を進めるべきでしょう。
区有施設見直しのフロンティア
もう一つは区有施設の縮減という観点です。
目黒区は、今後40年間で公共施設の床面積を約15%減らすこととしていますが、区の施設で最も割合が大きいのが4割以上を占める学校です。
いまだに人数が増加傾向にある小学校は別として、生徒数が減少を続ける中学校においては、利便性を極端に損なわない範囲で統合を検討することは、将来の財政負担を考えても不可避であると言えます。
地元の理解を得るために
今後は、地域の意見に配慮しながら、2019年3月に予定されている統合方針の決定まで議論が続くことになります。
地元の議員として、厳しい声に晒される機会もあるでしょうが、本記事で説明した内容をしっかりと地域で展開して、理解を求めていきたいと思います。郷愁よりも、今の子どもたちの学ぶ環境を優先すべく。
(2019.4.5 追記:統合方針の改定は延期となり、決定時期も決まっていないとのことです。どうしたことでしょう。)