マニフェスト大賞を受賞しました

お知らせ

第13回 マニフェスト大賞 授賞式

本日は、マニフェスト対象の授賞式でした。いつも通り、インカムを着用をしながら裏方で動いてはいたのですが、今回は少し事情が異なります。

秘書時代、第5回から運営のお手伝いをするようになり、先進的な取り組みを数多く学ぶ機会を頂いてきましたが、ついに自分自身が優秀政策提言賞を受賞する運びとなったのです。

議員立法プロジェクトチーム

受賞したのは、「東京若手議員の会」に設置された「議員立法PT」で、これまでもブログにて、情報管理の観点から少しずつではありますが、ご報告してきたものです。

具体的には、都内の自治体が共通して頭を悩ませている、ふるさと納税の負の影響に対応するための条例案を作成し、各議会で成立させていこうという取り組みです。

取り組みの経過

PTが昨年の秋に設置されて以降、各議会の定例会の合間を縫いながら、計5回の会合を重ねてきました。

とは言っても、いきなり条例案文を書き起こしたわけではなく、ふるさと納税の制度創設に至る議論の確認や、制度の法的根拠およびそれに由来する自治体の義務や権限、全国にもたらしている影響の調査および導き出される問題点など、立法事実となる部分を徹底的に調査し議論し合ったのが大きな特徴ではなかったかと思います。

その後、メンバー全員が条例案を作成し、それらの良い部分を集めて座長がとりまとめ案を示し、さらにそれを叩いて1本の条例案が完成しました。
・ふるさと納税適正化条例モデル条文案

取り組みのポイント

この取り組みのポイントは、「議員立法」および「超党派の若手議員」の大きく2つが挙げられると思います。

議員立法

行政監視だけではなく、自ら条例を制定することも議会の権限であるにも関わらず、2016年度で見ると、全国の地方自治体で成立した条例のうち、議員提案は3%にも及びません。

議会基本条例や議員定数に関する条例など、議会の運営に関するものを除いた、いわゆる政策条例となると、その割合はさらに大幅に低下するものと思われます。

つまり、地方議会の大きな権限である立法権(条例制定権)は、行政提案を追認するばかりで、ほとんど機能していないと言えます。

しかし、地域の課題を解決するのが地方議会の役割だとするならば、条例制定によりその目的が達成されると判断される場合、積極的に権限を行使すべきです。

今回は、ふるさと納税という都市部の自治体を苦しめている制度に対応するための条例案でしたが、他の分野においても、立法事実の確定から条文を起こすという一連の作業は応用できるものであり、議員立法の文化を広げていく点が重要だと思っています。

超党派の若手議員

さらに、上記の作業が超党派の若手議員が集まって行われたという点も画期的です。今回のメンバーは、自民・公明・立憲・都ファ・維新・無所属と幅広い出自となっており、地域も様々です。

国会では与野党間の対立がクローズアップされますが、二元的代表性を敷いている地方政治においては、地方議員同士は(常にとは言いませんが)味方と捉えることができ、地域の課題に対して議論した上で、一定の方向性を定めていくことが可能です。

こうした「議会としての働き」は、2000年に施行した地方分権一括法以降に重要性が高まってきたことから、比較的新しい考え方と言え、若手議員の視点で進めていくことも必要ではないかと思います。

今後の課題

言うまでもなく、今回の条例案を各議会でアレンジし、成立させていくことが次なる課題となります。

ふるさと納税については、返礼品のルールを厳格化するといった総務省の方針が示されているところですが、これは同じ土俵に載せるだけの話であって、都市部が苦しいことに変わりはありません。

むしろ、ガバメント・クラウド・ファンディングなど、「ふるさとを応援する」という制度本来の趣旨に立ち返らせていくためにも、条例制定は一つの選択肢として残るでしょう。

他地域の仲間と励まし合い、引き続き取り組みを続けてまいります。