再調査の結果が公表
今週初めに、障害者雇用の水増し問題について、厚生労働省に設置された検証委員会の報告書が公表されました。
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-soumu_278574_00001.html
また、都内の自治体ごとの状況については、東京都労働局のサイトで公表されており、全体では123名の減となっていることが報告されています。
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/news_topics/houdou/_122834/301022_syougai.html
目黒区の障害者雇用状況
都労働局の発表では、2017年6月1日時点で目黒区は8名減となっていますが、障害者雇用率は2.38%となっており、当時の法定雇用率である2.30%を超え、不足は0人となっています。
なお、担当部署から聞き取った情報によると、障害者手帳の確認ができなかった職員は8名いましたが、新たに手帳の確認ができた方が1名おり、差し引きでは7名の減となるのが正確な状況のようです。
一方で、本年2018年6月1日時点のカウントでは、新たに手帳が確認できた方を差し引いても4名の減で、障害者雇用率は2.29%となり、引き上げられた法定雇用率である2.50%を下回る状況となっています。
どう解釈すべきか
障害者雇用に係る再調査による減少について、中央省庁はよく分かりませんが、少なくとも目黒区が水増しを意図していた訳ではないと判断するのが妥当だと思われます。
都労働局の発表のように、昨年時点では再点検後も法定雇用率を上回っていることや、再調査の経過で新たに障害者手帳を持っていることが確認されたことが、その理由です。
目黒区は、該当者と産業医の面談などで確認した症状に基づき、障害者程度等級表に相当するとして算定していました。厚労省のガイドラインでは、身体障害者について、産業医の診断書や意見書での確認を当分の間認めるとしていますが、それを準用する形で算定していたのでしょう。
上記のガイドラインの正式名称は「プライバシーに配慮した障害者の把握・確認ガイドライン」であり、その理念に配慮し過ぎていたとも受け止められます。職場で「障害者ですか?手帳を持っていますか?」と無神経に聞くべきではないという指針のもと、狭間に落ちてしまったケースと考えられます。
今後について
もちろん、このままで良いわけではありません。国会のように、今回のことを捉えて大問題だと騒ぎ立てる必要はありませんが、今後はガイドラインの正しい解釈のもと、法定雇用率を満たすよう適切な対応をとっていかなければなりません。それについては、議会からも求めていくべきでしょう。