目黒区の「自転車シェアリング事業」
目黒区でも本日から、行政が実施するシェア・サイクルがスタートしました。
http://www.city.meguro.tokyo.jp/kurashi/jitensha_shohi/jitensha/jitensha_sharing.html
まだ実証実験の段階ですが、2年間でポート20ヶ所、自転車200台を整備する予定になっています。
個人的には、自治体が2年間で5000万円もかけてやるべき事業なのか疑問に思っているのですが、「まずは使ってみよう」ということで、役所からの帰路に利用してきました。
どこで使えるのか
開始当初から使えるポートは8ヶ所で、以下の通りです。 (目黒区ホームページより転載)
番号 | サイクルポート名 | 住所 |
---|---|---|
J1-01 | 目黒区総合庁舎 | 目黒区上目黒2-19-15 |
J1-02 | 駒場野公園 | 目黒区駒場2-19-70 |
J1-03 | 西郷山公園 | 目黒区青葉台2-10-28 |
J1-04 | 菅刈公園 | 目黒区青葉台2-11-25 |
J1-05 | 東山公園 北 | 目黒区東山3-20先 |
J1-06 | 観音橋自転車置場 | 目黒区上目黒2-14先 |
J1-07 | 目黒川船入場 | 目黒区中目黒1-11-18 |
J1-08 | 目黒区民センター公園 | 目黒区目黒2-4-36 |
地図で見ると、こんな感じです。茶色が目黒区のポート。(運営事務局ホームページより、一部加工して転載)
最初とはいえ、いくらなんでも山手通り周辺に寄せ過ぎではないでしょうか。。。そして、代官山とか不動前とか、明らかに他自治体のポートと調整していないように思われます。
なお、自転車がある限り、貸出や返却はいずれのポートでも可能になっているため、目黒で乗って他区で返したり、またはその逆もOKです。
「目黒区総合庁舎」ポート
今回、私は役所から帰るので、当たり前ですが総合庁舎から乗ることにしました。ポートは3F南口の守衛さんボックスの横にあるのですが、ただでさえ構造が分かりにくい目黒区役所で、ここを探し当てるのは至難の業かもしれません。
なお、役所は夜には閉まってしまうため、ポートも月~土曜は19:30まで、日・祝日は17:30までしか使えないという罠が存在しますので、ご注意ください。
借り方
利用方法はオフィシャルサイトに丁寧に載っていますし、ここで詳しく説明する必要もないかと思いますが、使い終わるまで分からなかったことが一つだけあるので、その顛末だけ記しておきます。
借り方は2種類あると、サイトや自転車にも説明があります。
サイトの指示通り、事前にスマホとクレカを用意して登録を済ませておいたので、あとはログインして予約→パスコード発行→自転車に入力 で利用開始するものと思っていました。
あれ?登録時に発行した8ケタのパスコードっていつ使うの?
確かに、上記の流れでも利用できます。開錠パスコードを入力してエンターを押すと、いきなり「ガチャン」と開いてけっこうビビります。
ただ、せっかくiPhone8なのに、お財布ケータイなのに、見るからに「ピピッ♪」ってタッチできそうなところがあるのに、どこでスルーしたのでしょう?
これは使い終わった後に調べて判明したのですが、初回利用時、自転車に8ケタのパスコードを入力してFelicaをタッチすると、それ以降はスマホが鍵のように機能するようになり、ログインや予約、パスコードなどが不要となるとのこと。
(※ 2019/1/17追記)
初回登録は、自転車の入力盤のStartを押してからEnterを押すと、8ケタの番号を入力できるようになり、その後にスマホなどをタッチして完了します。その場で自転車をレンタルせず、登録だけ行うことも可能です。
・・・結構分かりにくいと思うんですが。私の年齢のせいですかね?
あとは走るだけ
何はともあれ、無事に自転車は出庫しました。あとは安全運転に努めるのみです。前カゴは大きい方だとは思いますが、ビジネス鞄は歪む可能性があります。
なお、電動アシストは3段階です。配備されたばかりの(おそらく)新車ですので、バッテリーは100%です。ここは最強の「パワー」一択です。ECONAVIランプは消灯します。
うちにも電動自転車はありますが、子ども2人を搭載可能な仕様となっているため、一人乗りを前提とした車両は非常に軽やかに感じます。
返却方法
問題の返却場所ですが、幸い我が家は品川区との境に近いため、武蔵小山駅から歩いて5分程度の、品川区のポート(ローソン品川荏原三丁目店)に停めることにしました。
約3.5km走っても、バッテリーは100%です。さすが(おそらく)新車。
しかし、ここでも不測の事態に遭遇します。ポートにラックがないのです。一般的な駐輪場のように、ガチャンと前輪をはめておくことを想像していた私は、「まさか、ここは貸し出し専用なのだろうか」と真剣に悩みました。
サイトや自転車本体の説明には、兎にも角にも最初に「ラックに差し込み」と明記されています。これは困った、、、
そのとき、呆然と立ち尽くす私を横目に、若いお兄さんがやってきて颯爽と自転車を返却していきました。これは、何かカラクリがあるに違いない。。。
ポートの前に置いただけの位置で施錠し、ENTERボタンを押してみると…
ということで、無事に返却できました。 返却の説明でやたらラックに拘るのは、本当にやめてほしいです。
ちなみに、27分の利用でしたので、最低料金の150円。かと思いきや、消費税が乗っかって162円。
ここから自宅までは歩いて15分かかりますが、パルムを通って色々とチェックできるので良しとします。絶対積極。
まとめ
予想外に苦労しましたが、実証実験の初日から、目黒区の自転車を品川区へ乗り捨てることに成功しました。以下、総括します。
説明が不十分
使い慣れれば何てことはないのでしょうが、登録から貸出、返却まで一貫して、説明が不足しがちな点が気になります。私も新しいものは好きな方ですが、こんなに苦戦するとは思っていませんでした。
予約や施錠などで、いちいち携帯にメールが来るのも煩わしいです。既に本格実施している他区で、よく問題視されていないものだと感心します。
走行は快適
既に述べたように、一人乗りを前提にした電動アシスト車は操作性も抜群で、非常に快適に走ることができました。今日は半ば遊びながらでしたが、普通に走れば、30分単位でも結構な距離を行けると思います。
料金も162円ということで、中目黒から武蔵小山までバスなら216円、電車で195円ですから、安くかつ環境と健康にやさしく、さらには速いとも言えるかもしれません。ただ、雨だと辛いですね。
また、気になったのはサドルの硬さです。15分ほど走っただけでお尻が痛くなるほどゴツゴツしているように感じました。これは改善の余地があるのでは。
観光への寄与を目的とすべきでは
目黒区は、実証実験のKPIを駅前の放置自転車数に設定していますが、それは少し無理がある気がします。
どこまでデータが取れる仕組みになっているのかは分かりません(今度、聞きます)が、利用者の流れを把握することで、どれだけの人がシェア・サイクルで区内に入ってきているかを検証し、本事業だけでなく他の施策にも活かす方向で考えるべきではないかと思います。
やはり、5400万円を投じる意義が見いだし難いように思いますが、それは今後の議会で議論していきたいと思います。