昨日、安保法案が衆議院を通過しました。国政については、あまりブログに書かないようにしているのですが、私のスタンスだけは明確にしておこうと思います。
今回の安保法案および昨年7月の閣議決定による解釈改憲について、私は真っ向から反対します。
国際情勢の変化、それは理解できます。中国や北朝鮮の脅威が増し、ロシアもかつての力を取り戻しつつあります。しかし、それを集団的自衛権の行使容認に結びつける論理は、成立していないと思います。むしろ、存立危機事態という曖昧な概念で武力の行使が可能になることによって、敵国の標的になる可能性は当然高くなります。つまり、自衛隊員のみならず、国家のリスクが高まることになります。
同程度の力を持つ敵国が2つあるとして、手を出してくる国と、こちらが攻撃しない限り手を出してこない国、どちらを狙うべきでしょうか。
私は、例えば領域警備を切れ目なく実行できる法制を整えることによって、日本の自衛力を高めるべきだと思いますし、それが国家のリスクを下げることに結びつくと思います。
そして何よりも、違憲である(疑いが限りなく大きい)という点が問題です。100歩どころか1000歩も10000歩も譲って集団的自衛権の行使が国家のリスクを下げるとしても、憲法に反する立法を行う権利は、国会には与えられていません。本当に必要性があるのであれば、それを根気よく説明し、憲法を変えていく道筋を採るべきです。それができないということは、正当な理由が無いという事です。
ついでに言うと、憲法9条(戦争放棄)と13条(幸福追求権)のバランスは難しいと思います。私は、さすがに自衛隊不要論には与しませんが、今後、集団的自衛権が合憲かどうかという議論が続いていくことは明らかです。そのような脆弱な基盤しか持たない法律によって国を防衛していこうというのは、もはや笑い話でしかありません。
有識者や専門家が様々な議論を提供していますから、私は自分の立場を明らかにするだけに留めておきますが、上に記したように、今回の法制には強く反対します。