「平成」最後の決算審査へ

情報公開

2019.9.17 決算特別委員会(1日目)

決算特別委員会での本格的な審査がスタートしました。2018年度の決算は、一般会計で歳入が約1007億円、歳出が966億円という内容となっています。経常収支比率は81.6%と昨年に比べて改善したほか、区債残高の減少と積立基金の増加など、財政基盤もさらに強化されていると見ることができます。

マクロの枠組みからミクロの事業執行状況まで、6日間にわたって議論が繰り広げられていきます。毎回のことですが、予特と決特は議員として識見を広げる大きなチャンスだと思っています。徹底的に区政と向き合う期間とさせていただきます。

総括質疑

初日にあたって、私は会派「立憲民主・目黒フォーラム」を代表して総括質疑を行いましたので、内容を以下にご報告します。

人件費の動向

一連の財政指標は良好な状態ですが、財政構造を見ていくと、義務的経費は増加の一途を辿っています。割合としては3年ぶりに減少して49.8%となったものの、金額としては475億6千万円余で、前年より5億2千万円ほど増加しています。

この義務的経費については、いわゆる扶助費が10年で倍増するなど増加の一途を辿る一方、人件費と公債費が減少してきたことで抑制されてきた経緯がありますが、どちらも削減の余地が少なくなっています。

このうち人件費は、今回の決算で前年に比べて微増しており、さらに来年4月の会計年度任用職員の制度開始といった今後の押し上げ要素がある一方、行革、特にRPAやAIによる業務効率化といった押し下げ要素が混在している状況です。

区は今後、これまで常勤と非常勤で別に括られていた職員定数の管理を、制度変更に伴い全体として捉えていく方向であり、日常的な業務の見直しも含め、今後の計画に落とし込んでいくことになります。

財政計画

決算となっている2018年度は、改定した財政計画の初年度となっており、言うまでもなく当時編成された当初予算の950億円が歳入歳出規模として記載されています。一方、この年は補正を経て歳入は57億円増、歳出は16億円増となっており、さらに今年度の予算については計画で991億となっていたところ、補正が成立すれば1085億円と、すでに100億近い差がでています。

もちろん、景気の動向による歳入の増加など、計画通りに行かないことは百も承知ですが、中期的な財政運営を考えた時に、やはり規模がいたずらに拡大していくことは慎重に考えなければなりません。

財務諸表の活用

これまでも、繰り返し議論がなされてきたトピックですが、統一的な基準により作成された財務諸表については、様々な活用の可能性があります。

しかしながら、他自治体とどう比較していくかについては相当大きな課題が残っており、具体的な行政評価手法には繋がっていません。

総務省は、2017年度の財務書類を用いた分析を公表していますが、行政コスト全体の傾向はつかめるものの、この多寡がただちに問題に直結するということでもなく、区としても頭を悩ませているようです。

ただ、考え方としては非常に重要な視点ですので、私自身も町田市などの先進事例を噛み砕きつつ、次なる提言につなげていきたいと思います。

議題メモ

・二元代表制
・主要3計画からの総括
・財務諸表の活用
・ICT化・ペーパーレス化
・SDGs、若手の意見反映
・災害時のSNS活用
・児童相談所の検討状況
・要対協
・子育て世代包括支援センター
・保育行政の今後
・待機学童問題
・児童館未整備地区
・介護(地域の支え合い)
・エンディングサポート
・特定健診の乗り入れ
・インキュベーション
・産学官連携
・区民まつり25周年に向けて
・教育長としての総括
・歳出増の分析
・基金の適正規模
・基金等の利回り
・区有施設見直しの進捗
・学校施設長寿命化
・外郭団体への補助
・クレドカード
・防災、減災、風水害
・感染症対策(赤痢対応)
・物件費の見直し
・学校プールの民間活用
・災害備蓄量の見直し
・災害時の給水所
・生活保護世帯のエアコン
・介護保険改定の影響
・保育の質
・リフト付きタクシー
・ブロック塀の点検
・介護人材確保
・私立保育所整備への関与
・羽田の低空飛行
・認可外保育所の無償化
・区長の自己評価
・歳入確保策
・収入未済、不納欠損
・学校教育、教育環境
・生涯学習・教員の働き方改革
・小中連携